高頻度取引対策に金融庁も乗り出した!?

コンピュータにより、人の力が全く及ばない速度で行われる自動取引の一種「高頻度取引」。
高い処理能力を備えたコンピュータシステム、そして証券会社との間に設けた高速通信システムを使って目にもとまらぬスピードで大量の取引をこなし、小さな利ザヤを積み上げて大きく儲けていくこの手法に対しては、様々なところから“相場の公平性を乱す/相場の乱高下を招く恐れがある”などと危険視する声が上がっています。

すでにヨーロッパにおいては規制法案が可決、高頻度取引大国とも言えるアメリカでも“規制が必要だ”とする声の高まりを受けて規制当局による調査が本格的に始められました。

さて、日本ではどうなっているかというと…
まだ「高頻度取引」への対応は欧米に比べ、いまひとつ進んでいないのが現状。
規制に向けて目立った動きが乏しい原因としては、「日本と欧米にある市場の性質の違い」また「日本では欧米市場に比べ高頻度取引の割合が比較的に少なくコンピュータ取引拡大への危機感がそれほどまでには大きくなっていない」といったことが影響していると考えられます。

それに…この日本は欧米に比べると“投資に取組む人”の割合が極めて低い国!
そのため、そもそも高頻度取引という手法の存在、またこの手法が引起すとされる問題などについて知っている/理解しているという人の数からして多いとは言えません。ゆえに高頻度取引が話題に上ることからして少なく、目立った反発もない…、こうした点も対応策の構築が進まない要因のひとつと言えそうです。

ただ、そんな日本においても着実に高頻度取引は影響力を増しつつあり…、近年激化する日本の相場(とりわけ株式相場)の乱高下についても、背景には高頻度取引の存在があるとする意見がじわじわと拡大。

それに伴い2016年、日本でも金融庁が日本における高頻度取引の実態調査や海外における規制状況の調査をようやくスタート、…規制見直しを議論する場が設けられることにはなりました。

とはいえ、まだ現段階においては規制の明確な方針さえ固まっていないもよう。
何らかの対応策を講じる必要性があるという点については意見が一致しているものの、一般投資家の不利益になることなく・なおかつ高頻度取引を悪者と決めつけ排除することのないバランスのとれた対策案というものは具体的にはまだ見つかっていないようです。 

なお…
欧米でとられている対策内容はというと、高頻度取引業者の登録制および報告システムの強化(業者の把握を徹底すること)が基本。欧米においても高頻度取引“そのもの”を取り締まる動きは(すでに諦められているという部分も多いのでしょう)取られていないんですね。

こうした状況をみるに、日本で規制が設けられたとしても(おそらく欧米と同様のスタイルになることが予想でき)高頻度取引の存在感が一気に市場で弱まることになる可能性は低いと考えられます。

それどころか、現在の高頻度取引の進化をふまえれば、今後益々投資をするうえでコンピュータの存在を意識する機会が増えることは間違いなし! 

これから投資の際には、今まで以上に高頻度取引という存在に気を配る必要がありそうです。